介護×LGBTQについて発信する理由

WordPressで記事を書くのは久しぶりなので少し緊張気味な佐藤です。
今後は少しずつ移行し、発信していければと思っておりますので、よかったらブックマークなどして見守っていただければ嬉しいです。
一発目の記事は《介護×LGBTQ》について発信する理由について書いていきます。
発信を始めるきっかけ
僕が「介護×LGBTQ」について発信しようと思ったのは、専門学校2年次の介護実習中にもやもやを感じ、うまく消化できなかったことがきっかけでした。
あれは実習先で、利用者さんに食事を配膳していた時のこと。
昼食の配膳を任された僕は、食札(利用者の名前や食形態、禁食などが書かれたもの)を見ながらふと「あ、性別で色分かれてるんだ。」ということに気がつきました。
女性はピンク、男性は水色。わかりやすさ重視の色分けで、きっと誰も文句は言わないし引っかかることもない、ただの表示物なのだけれど、ふと、自分がもし今介護を受けるとなったら、どちらの色の食札になるのだろうと考え始めるとモヤモヤとした感情が。
カミングアウトをすれば水色?でも周りが混乱するからピンク?
佐藤の意見を聞けば水色?でも意思疎通ができなかったらピンク?
考えても、どちらという明確な答えは浮かびませんでした。
自分の意見にも自信がなかった10年前。
多様性なんて言葉が今よりも浸透していなかった10年前。
トランスジェンダーの自分はひっそり生きていなければと思っていた10年前。
何か変えなきゃ。自分が性別変更できるかもしれないと希望を作ってくれた先輩方が、介護を気持ちよく受けることができるように、何か変えなきゃいけない。
そう思うと、まずは同じ介護や医療職の当事者にあって話を聞いてみたい。そしてもし、同じ意見の人がいたら少しだけでも声を上げたい。今のままだと悲しい思いをする人がいるかもしれない。
何もわからないけれどやってみよう!と、僕はこの活動を始めました。
こんなに傷つくと思わなかった
この活動をし始めたころは、今よりも傷つくことの方が多かったです。自分が誰かの前に立って初めて、こんなにも社会の風当たりは強く、理不尽な言葉を“善意”で投げつけてくる人が大勢いるなんて、初めて知りました。
・LGBTって言われてもねぇ…施設にはそういう人いないから
・大丈夫、君は女の子に戻れるよ、今なら遅くない。
・親不孝だと思わないのか!
・LGBTを理解してほしいなら海外に行けばいい。
・子供ができたら、男になりたいなんて考えなくなるわ。
これを言われた講演帰り、駅で吐いて、泣いて、もう人前に立つのをやめようかなと何度も思いました。
理解してほしい、人権について考えてほしい、というのは烏滸がましいことなのかなと。
今となっては「懐かしい」話ですが、当時はズタボロでした。
それでも続けてこられたのは、傷ついて、辞めようかと思った僕がもう一踏ん張りできたのは、親と友達のおかげなのです。
「親不孝だ!」「孫の顔見せてあげたいと思わないの?」とどれだけ赤の他人に言われても僕の親は決して僕を責めて来ることもなく、親不孝だとも言わず、ただただ応援してくれました。
友達もそうです。
僕にはトランスジェンダーや同性愛者の友達がいます。
その人たちから「頑張ってね」「この前テレビ見たよ」「何か応援できることある?」と言われるたびに、僕は「この活動はきっと誰かのためになるんだ」と思えました。
それは、社会の中で言えば1人や2人かもしれませんが、きっと、その人たちが幸せそうにしていればそれは伝染すると信じています。
これからも、それを信じて頑張ろうと思います。
最後に
僕は、1人のトランスジェンダーで、介護福祉士です。
影響力もないし、目立つことができるわけでもない。戦略とかセルフマネジメントが上手いわけでもない。
だからこれを読んでくださっている皆さんが、少しでもいいなと思ったら、そっと拡散してくれると嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。