僕が重度訪問介護にこだわる理由

scenic view at the banff national park ALS介護
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ALS罹患者の7割が人工呼吸器をつける選択をせずに亡くなっていくという調査結果があります。
ヘルパーがいない・家族に負担をかけたくない。
人工呼吸器をつける選択を躊躇する主な理由は自分が生きたいかどうかではなく周りの環境や介護サービスの不十分さにあるというのは、
介護職としてとても悲しいし不甲斐ないなと感じます。

しかし、ALSのような難病や重度障害を持った人が使える「重度訪問介護」というサービスは認知度が低く、従事者も事業所も少ない。
介護保険の領域と障害福祉の領域では、利用者さんの性質が違いすぎるので、いわゆる“おじいちゃんおばあちゃんのお世話”“お買い物や洗濯”をイメージして訪問介護を始めた人にとって、重度訪問介護の現場に入るのは、イメージと実際のギャップが大きいのだろうなと思います。
その結果としてヘルパーさんが入っては辞め、入っては辞めの繰り返し。安定して訪問介護サービスを使えるという安心感がなくなると在宅で暮らしていくハードルは途端に上がってしまい、周りに負担をかけさせたくないと生きることを諦めていく現実を目の当たりにしてきました。

生きたいと思うなら、生きることを選べる可能性が残っているなら、諦めて欲しくない。
そして家族や友人として周りで支えている人にも、自分の人生を諦めて欲しくない。

そのために、重度訪問介護従事者を増やしたいと思い、僕は訪問介護事業所SAISONを立ち上げました。
(重度訪問介護業界が抱える問題点についてはまた今度書きますね。)

重度障害者と聞いてイメージするのは、会話ができない人や寝たきりの人かもしれませんが、実はそんなことはありません。
喋ることができなくなっても、文字盤やパソコンを使ってコミュニケーションを取ることができますし、
自分の意思で動くことが難しくても、外に出かけたりスポーツをすることができる人もいます。

SAISONの利用者さんの中には、
パソコンを使って世界中の人とコミュニケーションを取る人、エッセイを書いて障害者の生活のリアルを発信している人、紙粘土を使って作品を作ってみんなを楽しませてくれる人、職員に料理を教えてくれる人(しかも超うまい)、いろんな人がいて、それぞれが僕らが訪問している時間もそうではない時間も、生きて、暮らしています。
もちろん、寝たきりの人もいます。コミュニケーションを取ることが難しい人もいます。

でもみんな、誰かの大事なパートナーで、親で、子供で、友人で、仲間なのです。
障害があってもなくても、誰かにとって大事な人たちが生きていく権利を「人材不足」という社会の未熟さが奪ってはいけない。

介護保険ほど成熟した制度ではないし、ヘルパーも少ない。
訪問介護のイメージとはちょっと違う、医療的ケアが必要な人も結構多い。
認知度も低いし、障害者に対する偏見はまだ無くならない。

でも誰かがやらなきゃ、目の前にいる人の生きる権利は守られない。

だから僕はこの仕事をしています。

良かったら、一緒に働きませんか?

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