介護現場で起きる虐待について考えたけども。

black stackable stone decor at the body of water 介護
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こんにちは、ゆうすけです。

今日は虐待について自分の考えと過去に「あと一歩間違えてたら虐待してしまっていたと思う」という人から聞いた
経験談を織り交ぜて書いていきたいと思います。

介護業界で虐待が起きやすい訳を考えてみる。

介護業界以外でも、家庭内暴力・DV・児童虐待など様々な場所で「暴力によって相手を支配する」というようなことが起きています。
多くの場合それは「閉塞的な空間」かつ「親い人物」から行われるもので、身体的な暴力の他に、精神的暴力・性的暴力・社会的暴力など様々なパターンがあります。

介護業界での虐待が起こってしまう主な要因としては
①施設・個人宅(訪問)という閉塞的な空間(個室)。
②職員と利用者という関係性と距離感を保つことが難しい。
③慢性的な人員不足や変則勤務による個人にかかるストレスが大きい。
④ストレスや利用者との距離感に関して適切に指導・マネジメントできる人が少ない。
⑤個室・一人夜勤・相手が認知症や障害が原因で上手に訴えられない。
ことが挙げられると思います。一つ一つ解説していきます。

①施設・個人宅という閉塞的な空間。
多くの虐待の場合、公衆の面前で大々的に暴力を振るう、ということはしません。
誰もみていないところで、ひっそりと、自分より弱い立場の人に暴力を振るったり罵声を浴びせるのです。
2002年度から政府がユニットケアを行う施設に対して補助金をだし、現在多くの施設は個室になっています。
そのため、誰にもみられない場所で暴力を振るうことが容易なのです。
またそれは、個人宅でも当てはまり、独居(一人暮らし)の利用者宅でも起こりうることだと思います。

②職員と利用者という関係性と距離感を保つことが難しい。
人によるとは思いますが、正社員であれば週に5日以上同じ施設の、同じユニットの利用者と関わりを持つことになります。
入浴や食事、排泄介助などかなりプライバシーに踏み込んだケアを行ったり、信頼関係を築いていく中で、どうしてもその関係性や距離感を保つことが難しくなってきます。

③慢性的な人員不足や変則勤務による個人にかかるストレスが大きい。
介護業界は人が足りない、夜勤が月7回もある、休みがない、というのはもうずっと言われてきている問題。
いまだに画期的な解決方法もないまま令和に突入しています。
もちろんそういう環境の施設ばかりではないですが、ひどいところもあります。

④ストレスや利用者との距離感に関して適切に指導・マネジメントできる人が少ない。
これは一つの課題だと思うのですが、介護業界はマネジメントスキルのない人でも「リーダー職」につくことができます。
年功序列と言いますか、人いなくなったから穴埋め式と言いますか。とにかくその適性云々よりも「とりあえずこいつでいっか」みたいな決め方に
どうしてもなってしまうところがあります。
その中で、ストレスや関わり方に関して指導・マネジメントできる人ってあんまりいないと感じています。
ストレスがあると相談しても「ん〜、でもみんなそうだから」とかわされたり
利用者と近しくなりすぎて言葉遣いが悪い人がいても「でも、やめられたら困るし注意できないよ」という人も。

⑤ 個室・一人夜勤・相手が認知症や障害が原因で上手に訴えられない。
そして最後にこの問題。①でもお話ししたように施設や個人宅などの閉塞的な空間で誰にもみられない環境がある。
それに加えてて相手が認知症だったり障害があるなどで上手に被害を訴えられない場合が多く、加害者は問題が発覚しないと思うのでしょう。
もし万が一誰かが「利用者さんにアザがある」と言っても今回のように「転んだのでは?」といえばバレることは少ないです。
だって、誰もみていないんだから。本人は上手に主張できないことがあるんだから。
僕は⑤が、介護業界で虐待が起こる1番の原因だと思っています。

じゃあどうすれば虐待が減るのか考えてみた。

ここまでたくさんの問題をあげてきましたが、虐待の問題を解決するためにできることは「絶対に虐待ができない環境を作り上げる」ということ。
やらない、のではなく、できない。
僕の友人で過去に「あと一歩間違えたら、虐待してしまったかもしれない」という人がいます。そこで彼がとった行動は「絶対に虐待なんかできない環境を作る」ということでした。
具体的な行動として
・他の職員に今抱えているストレスと、手を上げてしまいそうになったことを正直に話した。
・その原因になった利用者さんに対してのケアをなるべく変わってもらえるように頼んだ。
・個室や閉塞的な空間にはなるべく行かないようにした。
・夜勤は主任やユニットリーダーと組み、精神的に安定できる環境にしてもらった。
を主任に頼んで実践したそうです。
ストレスや利用者との距離感をちゃんと指導できる主任の下、自分のメンタルケアなどを上手に行った結果
今ではケアに追い込まれることはなくなったと言っています。

また、彼がそのようなことを正直に話した結果、他の職員が日々感じていたストレスなども話せる環境になり
前よりも職員が楽しそうに働ける環境になったと、主任に言われたそうです。

では、このような環境を元から作るにはどうしたらいいのかを考えてみました。

①何でも話せる環境を作る。

普段の申し送りや会議だけでなく、「こういうことにストレスを感じてしまう」「苦手な利用者がいる」などの話をすることは、虐待だけではなく小さな事故を起こさないことにもつながります。
問題解決の第一歩は「話してもらう」ことだというのをマネジメントする立場の人は把握しておいた方がいいと思いますし、
職員も「気付いてくれない」という言い訳はやめましょう。リーダーや管理職は超能力者じゃありません。
まずは「話す」こと、その環境を作ることです。

②一人夜勤の解消。

ストレスの面でも、閉塞感の面でも、事故や急病などの対応の面でも、一人夜勤はリスクが高いです。
どうにかして二人以上、せめて2フロアに一人増やすくらいのことは頑張ってみませんか?(願望)

③危険を予測する。

これは家庭内暴力や児童虐待などを参考に考えますが、
・特定の利用者に対して異常にやさしい(その人に虐待してるのをバレないように、優しく接しているように振る舞う)
・「最近言動が変」「嘘みたいなことを言う」など、その人(利用者)の話に信憑性がないようなことを言う。
(万が一「殴られた」と言われても「でもあの人最近認知症が…」とごまかせるように。)
・アザや傷がふえる
・語気が荒くなる
・休み、遅刻が多くなる。
など、急な変化があった場合、もしかしたらストレスを抱えていたり手を上げてしまっているかもしれません。

④人員配置基準を、基準にしない。

現状入所施設での人員配置基準は「3:1」です。
これは入居者が3人に対して介護・看護の職員を配置しなければならないというきまりですが、そもそもこの基準はただの人数です。
1年目の職員でも、10年目の職員でも変わりはありませんし、
寝たきりの人でも、認知症の人でも、転倒注意の人でも変わりはありません。
ちょっとおかしいですよね。
「9人の利用者で、3人職員がいるからいいでしょ。」とは言っても、実際には入浴介助に一人行って、一人個別対応していたらフロアに残るのは一人。
管理職は人員配置基準という数字に囚われずに「自分が働くフロアには何人必要でどういうバランスになっているか」を把握し、改善する必要があると思います。

最後に。

虐待は絶対にあってはならないこと。
ただそう入っても起きてしまっているならもう
「やる・やらない」の個人の資質に問うのではなく
「絶対に起きない・起こさせない」環境を作っていくことの方が大事だとおもいます。

僕らがやるべきは
「認知症や障害で指示が入らない人がいてちょっと大変だけど、もしストレスに感じてもケアを変わってくれる人がいたり、うまく交わせるようにマネジメントしてくれる上司がいるから働けるよね」っていう環境を作ること。

頑張ろう。無理しすぎずに。

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