利用者から介護・医療従事者に対するハラスメント被害について。

crop man showing fist near anonymous woman 介護
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こんにちは、佐藤です。

以前Twitterで、訪問介護の現場でセクハラを繰り返した利用者に派遣停止を伝えに行った際のことをツイートしたら、4万いいね!がつきました。(画像はその途中)

通知を見た時は、何かいらんことを言って炎上したかと思いましたが、そうではなかったのでほっとしたのと同時に、医療・介護業界のセクハラ問題ってこんなに共感されるものなのかと、危機感を感じました。

一般社会で許されないことが、患者や利用者なら許されている。

それってとてもおかしい。

なので簡易的なアンケートを作成・集計し、医療介護業界における患者や利用者からのハラスメントについて実態を知ろうと思いました。

この記事は、そのアンケートのまとめと、いち訪問介護事業所管理者としての心構えと覚悟について書いております。

これが全て正しいとか正解とは思いませんが、一つの取り組みとして参考にしていただけたら幸いです。

アンケート調査の結果

有効解答数:73件

実施期間:2020年9月〜2020年11月

実施方法:グーグルフォーム

質問:利用者からの暴力・セクハラが原因で仕事をやめたことがある

ある:9.6%

ない:64.4%

要因としてある:26%

暴力について

質問:利用者・患者から暴力を受けたことがありますか

ある:84.9%

ない:15.1%

質問:どのようなシチュエーションでしたか(自由記述)

・食事介助中やおむつ交換時

・身体介護中肩を噛まれた、夜中に杖で殴られる等

・人格否定や罵声を1年半にわたって。

・頭を叩かれた

・杖を振り上げて殴ろうとしてきた。

・食事介助中にフォークで腕を刺された。 等

質問:それを上司や管理者に報告しましたか?

した:87.5%

していない:12.5%

質問:報告した場合、どのような対応をとられましたか?(自由記述)

・特にない、何もない(複数)

・大変でしたねーで終わり。

・2人介助を提案してくれた。

・利用者の契約解除通知

・女を出した対応をしたあなたが悪いと言われた

・認知症だから仕方ないと取り合ってもらえない

・慣れろ、我慢を要求された。 等

質問:報告後問題解決しましたか?

はい:5.4%

少しだけ:30.4%

いいえ:64.3%

質問:暴力によって怪我をした方、労災はおりましたか?

はい:11.5%

いいえ:88.5%

セクハラについて

質問:利用者・患者からセクハラを受けたことがありますか

ある:86.3%

ない:13.7%

質問:どのようなシチュエーションでしたか(自由記述)

・すれ違いざまに性的な言葉を投げかけられる

・身体介護時にお尻や胸を触られる

・女性の利用者さんにキスされそうになった

・利用者家族に抱きつかれる

・陰部のマッサージを頼まれ、拒否したら声を荒げられた

・射精させろ!と言われた。 等

質問:それを上司や管理者に報告しましたか?

した:79%

していない:21%

質問:報告した場合、どのような対応をとられましたか?(自由記述)

・特になし(複数)

・次から気をつけてねと言われた

・服装が悪いと言われた

・管理者が話に行った

・男性看護師での対応になった

・仕方ないよねぇ…と言われた。 等

質問:報告後問題解決しましたか?

はい:18%

いいえ:82%

質問:現在利用者からのセクハラや暴力で困っていることがあればお書きください。

・今もその方がいるので毎日嫌な気持ちで働いている

・退職、休職しました。

・心身の不調で外出や電車に乗ることが困難になった。

・認知症だから仕方ないと、家族も職員も対処してくれない

・医療者の人権が全くない

・今後受けた際の会社のフォローがどの程度あるのか。 等

アンケートの回答を読んだ感想

正直、ここまで酷いことが起きているとは思いませんでした。また、現場で暴力やセクハラが起きた際、上司や管理者が何も対応しないこともあるのだなと、唖然としています。

介護職員から利用者への暴力やセクハラは大きく報じられるのに、逆のパターンではなかったことにされ、暴力やセクハラを含め「介護職・医療職って、大変だよね」という言葉で片付けられてしまっているのだと思います。

これは「利用者様はお客様、何があっても人格を尊重し尊厳を云々…」と問題を見て見ぬ振りし続けた結果だと思います。福祉=どんな方にも優しく、というのは良いことだと思いますが、それは職員の人権や人格を無視し、暴力やセクハラが起きていても守らなくてはならないことなのでしょうか。

今は介護職員の人口が圧倒的に足りていません。そんな中、職員を大事にできるのは誰ですか?職員の人権を守れるのは、誰ですか?

それは「管理者」や「上司」の仕事だと思っています。

変わりましょう、2021年からは。

訪問介護事業所SAISONの心構え

ここからは、弊社のお話をさせてください。

弊社では、これから「職員の人権」「暴力・性暴力」についての研修を積極的に行なっていきます。

また、入社時に必ず「訪問介護員としての心構え」の一つとして

《暴力や性暴力など、身の危険を感じた場合はすぐに逃げてください》と伝え、具体的にどのような事例があるのかをお話ししています。

訪問介護はヘルパーさんが一人で現場に向かいます。一対一の介護では、何が起こっているのか、監視カメラでもない限り外からは判断できません。

日々誠実に取り組んでくださっているヘルパーさんが、どこかで被害に遭っていても、申告がない限りは問題解決ができません。

なので、最初のうちに「逃げてください、あとは助けます」と伝えておくことで暴力やセクハラの被害を作ることに取り組んでいます。

利用者との契約時には、契約解除事由として「暴力やハラスメントがあった場合」というのを強調しています。あらかじめ管理者である私から強めに伝えておくことで、発生の防止ができればと考えています。

契約解除時には(まだありませんが)ケアマネや相談員にセクハラや暴力があったと必ず伝えます。しかし「そんなこと言ったら受けてくれる事業所さんがない」と事実を伝えない人もいると聞いて戦慄しています。

これから先、被害を受けて介護の仕事を楽しくできない人が増えてしまわぬよう、祈るばかりです。

どこからがセクハラ?どこからが暴力?

これはとても難しい議題になってきます。身体介護がある以上、どうしても身体を近づける場面が出てきます。なので「完全に触れない」というのは難しいです。

今できることは職員と都度話し合いをしていくしかないと思います。

誤って手が触れてしまった、不随意運動で手が当たってしまった、故意に胸やお尻に触れてきた、意図的に言葉を投げかけてきた。

職員がどう捉え、どう感じたとしても否定せず、受け止めることが大切だと思います。

最後に

今回、一個のツイートをきっかけに多くの医療・介護従事者の方から相談や過去のお話を聞かせていただきました。

場合によってはトラウマになってしまうようなことを、お話ししてくださりありがとうございました。

僕は一介護職員として、今後も暴力やセクハラは絶対許さない方針でおります。

皆さんも、自分の身体とココロを大切にしてくださいね。

では。

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