重度訪問介護従事者が定着しない3つの理由を書いてみる

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こんにちはorこんばんわ。佐藤です。

最近TwitterのDMに介護や看護を仕事にしている人から、相談や愚痴がたくさん届きます。意見を求められる内容でなければ、僕から特に返信することはないのですが継続的に届き、現在も6名の方がDMを送ってくださっています。

その中で【重度訪問介護の仕事が辛い、降りたい】という相談がありました。読んでみると僕も経験したことがあるようなことや他でも聞いたことがある内容で、これはこの方だけでの問題ではないと思ったのでこの記事を書いています。

ちなみに、僕も訪問介護を始めて5年経つんですけど、びっくりするくらい【重度訪問介護】の現場が圧倒的に人が定着しないです。

相談と回答

相談:今訪問している現場を降りたい

現在難病の方の家に訪問していて、入って半年が経ちました。12時間の勤務中食事もトイレも行く暇がないほどやることが多くて利用者さんに相談しても「他のヘルパーも同じように働いている」と言われ改善されません。

私が去年の夏に入ってから、すでに15名くらいのヘルパーが入れ替わっています。私もそろそろ抜けたいですが、会社からもう少しがんばってと言われます。

うちの会社から入っているのは私だけです。もうその日の朝、前日の夜は憂鬱です。

長時間で稼げるのはいいと思っていましたが、稼ぐことより抜けることを考えています。

回答:会社に「もう限界」と相談し、説得されても抜けていいと思います。

12時間の勤務の中で、トイレや食事の時間が取れないほどに仕事が多いというのは業務過多だと思います。簡単にいうと「ケアをしすぎている」です。

障害者ケアの問題点の一つとして、明確な「ケアプラン」がないことがある、というものが挙げられます。つまり、第三者がいない中利用者と会社間で決めたことが全てになってしまう。

ここで、優秀なサービス提供責任者がいるのであれば利用者の要望と職員の働けるキャパを考えた適切なケア内容を考えてくれますが、あまり整っていないのが現実。現場のヘルパーさんが「利用者のいいなり」になってしまっているのをよく見かけます。

業務過多であることを相談しても改善されない、ヘルパーを大切に思ってくれないのであれば、そういう現場は抜けていいと思います。

どうか「介護の仕事」が嫌になる前に、ご自身を大切にされてください。

重度訪問介護従事者が定着しない理由

私もこれまで様々な現場に入って、ヘルパーさんや利用者さんとお話ししてきました。その中で見えてきた重度訪問介護従事者が定着しない理由を3つ挙げてみます。

①単価が安いから時給も安いのに身体介護が多い。

やめていくヘルパーさんでこれを理由に挙げている方は結構います。

そもそも、訪問介護と一括りにされていますが、利用者さんのサービス支給内容や必要なケアによって①身体介護、②家事援助、③重度訪問介護に分かれています。身体介護では、食事・入浴・排泄などのケアを、家事援助は調理・掃除・買い物・洗濯を行います。

しかし、重度障害や難病を抱えた方は必要な支援時間が長く、広く生活全般のケアが必要なため身体介護と家事援助を包括した「重度訪問介護」が支給されています。

この重度訪問介護は時間内であれば、身体介護でも家事援助でもお好きに使ってください。というものですが、国から支給されるお金(単価)は身体介護よりかなり安い。

その中からヘルパーさんにお給料としてお渡しできる額も限られてしまうので、ヘルパーさんからすると安くてきついお仕事、となっている現場も多くあるのです。

社員としても悩みどころなんですよね。ケアには入りたいけど単価安いのは…。国がどうにかしてくれませんかね。

②社員が現場のことを知らなさすぎるため相談しても無駄なパターン。

重度訪問介護で、特に一回の訪問時間が長い現場で良くあることなのですが、現場のヘルパーさんが悩みを社員に相談しても、その人が現場に入っていないと感覚がわからない悩みが多々あります。長時間の現場は、自ら時間をとって研修に行かなければならないのですが、訪問介護の社員さんでぶっ通しで現場に研修に入れるなんていうのは稀…。そのため現場のヘルパーさんとの温度差が生まれてしまうのです。

もう一つ要因としては、社員さんが高齢者介護に重きを置いて仕事をしている場合も、重度訪問の現場との温度差は生まれやすくなります。

「うちの社員に相談するより、佐藤さんに相談したほうがわかってくれる。もうあの会社は嫌になってきた。」なんて言われることもあるので、的確な相談の仕方を伝えるのに必死。

相談は、する方もされる方にも「コツ」があるので、それさえ抑えておけばなんとかなるのですが、現状「相談しても無駄だわ」という声はなかなか無くなりません。

③利用者からの要望が多すぎて長く続かない。

このパターンも多いですね。

これはまた別の記事で詳しく書くのですが、ヘルパーさんは優しい方が多いので利用者さんから「これをしてほしい」と言われると断れない方が多いです。

そうしてどんどん仕事内容が増え、それって介護職員に頼むようなことじゃないよね?ということまでやってしまうのです。

目の前にできなくて困っている人がいたら、そりゃ誰でも断りづらいですが、

それで仕事量が増えてやめてしまうヘルパーさんが増えるのは本末転倒。長期的に見れば本当の優しさとは言えません。

そうなる前に、社員が気づいて業務量を調整できるように対応しないといけませんね。

以上、僕が見てきた「重度訪問介護従事者が長続きしない理由」でした。

僕も、これがわかるようになってから社員に対する声かけや利用者さんと話をする機会が増えました。

最初はお互いの意見がぶつかってしまっても“同じヘルパーさんがなるべく長期間定着する”という思いが本気である方は、理解してくださります。

ヘルパーさん側も“本当の優しさ”を理解してくれれば無責任になんでも引き受けることはしなくなります。

誰かがやってしまうと、他社のヘルパーさんにも迷惑がかかるので(あっちの人はやってくれるのに…など。)うちではちゃんと律するように心がけています!

ではまた〜!

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